島飯『 縁 ~えにし~』

島飯『 縁 ~えにし~』

2010年12月17日金曜日

『pub new KING』







飲食店(BAR)の店舗デザイン。

テナント物件は、2階に位置しているが、広島最大の繁華街、『流れ川』通りに面する絶好の場所に位置する。

しかし、下階は老舗の飲食店であり、既存のあり方を極力残す為、2階への間口がかなり厳しく制限された。
さらに、流れ川通りの特色である、きらびやかな色使い、そしてド派手なネオン・サイン・・、道路レベルで2階店舗の存在感を示す事がとても困難に思えた。
ここでは、ギラギラとした数え切れない要素の中で、負けじと競い反発するのでは無く、あえてトーンや素材を限定させ、シンプルなまでに要素を削ぎ落としたファサードとする事で、逆の効果を狙っている。

2階店舗内部は、既存の段差をそのまま生かし、「開放」と「圧迫」を意識させる事でメリハリを利かせ、家具配置によりタイトにスペースを分けている。
最後に、クライアントのfirst店舗同様、店内をキャンバスとして見立て、壁・天井、そして床までをも「フィルター(カラー統一)」で覆っている。ソファー、椅子、カウンター、テーブル、酒棚、照明器具、さらには壁に飾られた絵画や小物、そして衣装をまとった店員や客までもを装飾要素として考え、全てを包括する『宝石箱』として扱った。

結果、外部とのスイッチを切り替えるシンプルなファサードをくぐり、流れ川通りのネオンやサインとは異種の、通りにも負けない多くの要素が違和感無く同居出来る場になったのではと感じている。

決して新し過ぎず、どこか懐かしく艶っぽささえ感じさせ、時代の流行に左右されない・・、そして様々な要素を内包する包容力を兼ね備え、時間の経過と共に魅力を増して行く、そんな、しなやかで力強い店舗として繁栄して行く事を強く期待している。

当プロジェクトへ参加させて頂いたクライアント様、そして当プロジェクトに関わった全てのpartnersの皆様に感謝致します。

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