島飯『 縁 ~えにし~』

島飯『 縁 ~えにし~』

2011年4月15日金曜日

『白い花台と緑の池』

少し前のblogで書いた外構工事のデザイン。
まだ細かい箇所を残してますが、何とか形になりました。











新築住宅を考える時、外構工事をどう据えるか頭を悩ませるケースは多い。

おおむね予算の問題が大半ではあるが、やっつけ的に後の事を考えず妥協してしまうケースは多いのではないか。工事費の予算配分上、やはりまずは必要最低限の暮らしを整える事が最優先なのは当然であるから、それはそれで仕方が無いのか・・。

しかし、外構によって住宅の見え方や印象が格段と違ってくる、と言っても過言ではない程、実は重要であると私は認識している。

当住宅も、住宅自体の完成度は高いながら、他聞にもれず、周囲外構は予算の都合上妥協と思われる、「その他の余白」として扱われていた。
ここ近年では、土部分の雑草とペットや諸動物の排泄、さらに新築当時に半端に植えられた増殖性の強い植物が、手入れ不能な程無造作に茂っており、クライアントは頭を悩ませていた。

ここでは、土である良さと、土である難しさを操作して、クライアントの生活に見合った現実的な外構デザインを考えている。

まずは、一敷地内ではあるが、その場所箇所の日当たりを見極め、適した植物を選定してやる事。
そして、植物を地植えしてしまうと、やはり制御が難しくなる事から、鉢植えにて成長の規模をコントロールする事、そして植物の種類や設置箇所にて成長の速度をコントロールしてやる事。
さらに、ただの土であった余白部分を、素材や状況を変えてやる事で、手間をコントロールしてやる事。
これらをデザインに落し込んでいった。

手を加える事の出来る面積は限られていたが、既存建物や周囲とのバランス、無理の無い関わり合い方など、上手くまとめる事が出来たのではと自負している。

植物は当然生き物である。生き物である限り、住宅部分と同様、どうしても手入れや手間を掛ける事が必要であるが、今後は、クライアント自身がそれらを楽しみ愛着を増し、時にはプロの手を借り、数年後にどの様に植物が育ち、全体が味わいを増して行くか、今からとても楽しみである。

よって、partnersの庭師と彫刻家との共作である当projectは、現在未完であり、完成はまだまだ先と考えている。

全体デザインへの積極的な理解、そして植物の成長時期による工期への寛容な理解を頂き、長い月日、度重なる打合せに辛抱強くお付き合い頂いたクライアントに心から感謝致します。

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